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断水したけどお風呂に入るにはどうすれば良い!?代替品と浴槽の使い方【水道職人:公式】


断水での不安ごとはトイレに目が行きがちですが、お風呂に入れなくなるというトラブルも回避できません。
 
ずっと誰にも会わないということであれば、数日お風呂に入れないことも我慢できるでしょう。
しかし、仕事や学校に行くとなると、1日でもお風呂に入れないと気になるものです。
だからといって、浴槽にためた水をお風呂に使って良いのか悩みますよね
 
今回は、断水したときに浴槽にためた水をお風呂で使って良いかや、お風呂の代替品として使えるアイテムについてご紹介します。
 

浴槽にためた水はお風呂では使わない


災害での断水や停電の際には、浴槽に水をためる方が多いでしょう。
この浴槽にためた水は、飲食を除いた、トイレなどの生活用水として使う水です。
そのため、お風呂に入るために使うことは控えた方が良い水です。
 

なぜお風呂に使っちゃダメなの?

お風呂としてこの水を使ってしまうと、浴槽の中に皮脂や石けん、髪の毛などが入ります。
水だけではなく、不純物が混ざった状態になってしまうのです。
 
不純物が混ざった水をトイレに流すと、トイレがつまるリスクが高まります。
また、雑菌が繁殖するリスクが増加するため、洗濯や洗い物では使えなくなります。
 
断水が1日で明けたときは、そのまま水を流すことはもったいないので、追い炊きで温めて再活用することは可能です。
しかし、断水が数日に及ぶ場合には、生活用数として使うための水として、お風呂では使わない方が良いでしょう。
 

浴槽に水をためられないときもある

地震では浴槽が大きく揺れることがあります。
とくに集合住宅の場合、高層階であればあるほど、揺れがひどくなるでしょう。
そのため、浴槽が破損していて水がためられないケースがあります。
 
このような場合には、給水タンクやポリタンク、ペットボトルなどの大きくてフタがついている容器に水をためましょう。
給水タンクなどにためた水は、飲食や歯磨きといった、口の中に入れる用途でも活用できます。
浴槽の破損に関わらず、給水タンクなどにも水をためた方が良いでしょう。
 
なお、浴槽に水をためたときには浴槽が破損していなくても、水をためた浴槽が地震で揺れることで破損するケースがあります。
これは、水を入れたことで重さが増え、揺れたときに強い力が加わってしまうためです。
破損した浴槽からためた水が溢れ出し、室内や階下が漏水でひどい被害を受けることもあるのです。
集合住宅の高層階にお住まいの方は、浴槽の揺れ方次第では、浴槽に水をためないという選択をした方が良いでしょう。
 

お風呂の代わりに使えるアイテム


断水していてもお風呂に入りたい、お風呂に入れないなら身体を清潔に保つことだけでもしたい。
このようなときには、どのような方法があるのでしょうか。
 

銭湯や温泉

意外に思うかもしれませんが、ご自宅の近辺が断水していても、一駅先は水道が問題なく使えるということもあるのです。
 
情報が入ってきにくいかもしれませんが、災害時は初めて会話する方から教えてもらえることがたくさんあります。
些細な会話から得られる情報も多いのです。
集合住宅にお住まいの方は、管理会社や大家さんに質問することで、情報を得られるかもしれません。
 
開いている銭湯や温泉があれば、少し遠くても足を運んでみてください。
 
なお、災害の後は計画停電が実施されることがあります。
計画停電のときも、一駅先は対象外という場合があるのです。
計画停電でもお風呂に入れないという問題が発生することがあるため、対象外エリアの銭湯や温泉を利用しましょう。
 

身体拭きシート

ウェットタイプやドライタイプの身体拭きシートは大判の物が多く、身体を清潔に保つために活躍します。
 
ウェットタイプは水で濡らさずにそのまま使えるため、断水で使いやすい仕様になっています。
ただし、個包装ではないタイプの場合、一度開封すると時間の経過でシートが乾燥するでしょう。
断水時には個包装タイプの物を選んだ方が良いでしょう。
 
ドライタイプは容量が多く、乾燥を気にせずに保管できるため、水が使える状態ではとても便利です。
ためている水が潤沢にある場合や、身体を拭く用途以外でも使いたい場合には、ドライタイプを選ぶと良いでしょう。
 

清拭剤(せいしきざい)

清拭剤とは、タオルに塗布して使う、洗い流しが不要な石けんのようなものです。
保湿オイルなども配合されており、拭き取った後に身体の乾燥を感じにくいでしょう。
 
清拭剤を使ったあとのタオルは、洗濯や手洗いで清潔にする必要があります。
洗っていないタオルを繰り返し使うと衛生面が損なわれます。
 
清拭剤はドライタイプの身体拭きシートと同様に、水が使える状態や、ためている水が潤沢にある場合に選んだ方が良いでしょう。
 

ドライシャンプー

ドライシャンプーは、頭皮に塗布することで皮脂やニオイを軽減してくれます。
皮脂が軽減されることで、髪の毛のべたつきも感じにくくなるでしょう。
 
ドライシャンプーにはスプレータイプや泡タイプ、シートタイプなどがあるため、用途に応じて使い分けができます。
 
とくにシートタイプは小さく持ち運びやすいため、夏場の汗が気になるときにも、外でサッと使えます。
 
なお、ドライシャンプーでは毛穴の汚れは取り除けません。
落としきれなかった皮脂がたまり、痒みを感じるようになるでしょう。
また、ニオイも気になるようになります。
シャンプーのように皮脂をしっかりと取り除けない点に注意が必要です。
 

クレンジングシート

化粧はクレンジングシートや拭き取りタイプの化粧落としで落とせます。
 
ただし、種類によってはアイメイクなどの濃いメイクは落とせないことや、乾燥を感じることがあります。
断水の期間は、薄めの化粧に留めた方が良いでしょう。
 
薄化粧の場合、油分が入った美容液や保湿クリームなどでも化粧が落とせます。
 

断水に備えた事前準備が必要!


日本は災害大国です。
いつなんどき断水が起こってもおかしくはありません。
実際に断水が起こった後に準備しようと思っても、流通の停滞などで準備ができないことが考えられます。
事前に準備しておくことがとても重要です。
 
2011年の東日本大震災では、山梨県は震度5の地震に見舞われました。
当時、60,000戸以上が断水にも苦しんだのです。
 
南海トラフ地震や首都直下型地震といった、大きな地震はいつ起きてもおかしくない状態だと言われています。
大災害に備えて、事前に準備するように心がけてください。
 
参考:地震被害 想定調査┃山梨県
参考:東日本大震災に関連する情報┃山梨県
参考:断水状況とその要因┃国土交通省

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