水コラム

水のトラブル

井戸ポンプを設置するには?かかる費用と自力での対応


家庭用井戸ポンプをご存知でしょうか。

家庭でも水道を使用せずに井戸水をくみ上げて利用できる装置です。家庭用井戸ポンプを利用することによって水道代の削減や非常時に安心というようなメリットがあります。

そこで今回は家庭用井戸ポンプの活用方法と家庭用井戸ポンプメリット、注意点、設置にかかる費用、自力交換の方法について詳しく解説します。

導入を検討している方には必見の内容です。

家庭用井戸ポンプとは?活用方法を解説

家庭用の井戸ポンプとは、その名の通り家庭に設置する井戸ポンプです。

家庭用の井戸ポンプを設置することによって災害時などの緊急事態のときに、水に困らないなどのメリットがあります。

ここでは家庭用井戸ポンプの仕組みや活用方法について解説します。家庭用井戸ポンプは大きく分けて手動式と電動式の2種類があります。

■手動式井戸ポンプ
手動式の家庭用井戸ポンプはそのまま手で押すことで水をくみ上げられるようになっています。

手動のため災害時など電気が使用できない場面でも使用可能なため安心です。しかし手で押す際に大きな力を要します。そのため小さなお子さんや高齢の方にはおすすめできない種類でもあります。

またポンプで怪我をする可能性もあるため充分注意して扱わなくてはいけません。

■電動式井戸ポンプ
電動式の家庭用井戸ポンプは電力で水をくみ上げる仕組みで力は使わず非常に便利な井戸ポンプです。

近年家庭用井戸ポンプとして一般的に流通しているのがこの電動式です。手動式と違い小さなお子さんや高齢の方でも簡単に使えるのがよい点です。

一方で停電時に使えないというリスクがあり、「この井戸ポンプがあればいつでも安心!」というわけにはいきません。また、電動式井戸ポンプは大きく3種類に分けられるのでご紹介します。

浅井戸ポンプは、ストローと同じ仕組みで動く井戸ポンプです。設置したポンプが管を利用して水を吸い上げてくれます。

構造がシンプルで安価なため家庭用として人気の種類です。深井戸ポンプ(ジェット式)は、吸込管と圧力管の2本の管を備えており、圧力変化を利用して水をくみ上げる仕組みです。

深井戸ポンプ(水中式)は、井戸の水中にポンプ吸込口が設置されており、直結する揚水管から水を押し上げています。先述2つよりも騒音トラブルが少ないことが特徴です。

家庭用井戸ポンプで得られるメリットと注意点

家庭用井戸ポンプの設置を検討している方はメリットとデメリットの両面を把握しておくことが重要です。ここでは家庭用井戸ポンプのメリットと注意点をご紹介します。

■家庭用井戸ポンプで得られるメリット
井戸水を利用することの最大のメリットはなんといっても水道代の節約ではないでしょうか。

水道の利用をやめ井戸水に完全移行すれば、水道代はゼロになります。下水道代が請求される場合もありますが、水道を利用する場合に比べれば大きく節約可能です。

そして災害時に水を安定的に利用可能という点もメリットです。災害時には水が利用困難になり、公衆衛生問題が発生しやすい環境になります。

そんな時に手動式井戸ポンプであれば通常時と同様に利用可能です。

電動式は停電時に利用できないため注意しましょう。さらにカルキ臭が少ないことや水質によってはさまざまな用途があることなど複数のメリットが挙げられます。

■家庭用井戸ポンプの注意点
デメリットとして考えられるのが設置費です。

井戸ポンプ本体の費用に加え、井戸を新たに掘削する際には高額な費用が発生します。井戸新設を検討中の方は費用面でプランを立てながら検討していきましょう。

井戸水を利用する際には味、色、濁り、臭いの確認を毎日行わなくてはいけません。そして井戸は定期的なメンテナンスが必要になります。

年に一度の検査を行わないと、一般細菌、大腸菌、亜硝酸耐窒素などの有害物質に汚染されていることに気づかず利用することになります。そして、各自治体へ「公共下水道使用届」を提出することも忘れてはいけません。

申請忘れや意図的な未申請には罰金が科せられますので注意しましょう。電動式の場合には井戸を動かす電気代が必要になるなど、水道代以外に発生する費用やその他手間がかかるということを把握しておきましょう。

家庭用井戸ポンプを設置するときにかかる費用

家庭用井戸ポンプを設置する際には高額な費用が発生することを把握しておかなくてはいけません。

新たに井戸を掘削する際には掘削専門の業者に作業を依頼することが一般的です。ドリルがついているパイプで地下を掘り進めるボーリング作業が必要になるからです。

これらの作業には最低でも30万円は発生すると覚悟しておきましょう。井戸が深井戸になればさらに多くの作業が発生するため、100万円を超えてくる場合もあります。どちらにせよ数十万のオーダーになってしまいます。事前の予算準備と業者には正確な見積もりを依頼しましょう。

家庭用井戸ポンプの設置が高価なこともあり、安すぎる価格を表示している悪質業者に引っかかってしまう被害もあるようです。周りと比較して安すぎる業者は後々追加請求してくるパターンもあり、トラブルに発展する可能性があります。適正価格の範囲内でお得な業者を選ぶように心がけましょう。

また、業者を比較して見られるサイトや利用者の口コミを参考にして設置業者を決定するようにしましょう。決して「高額だから」といって価格だけで決めてはいけません。

家庭用井戸ポンプは自力で交換可能?

家庭用井戸ポンプは自力での交換が可能です。

ここでは家庭用井戸ポンプの交換に絶対に必要なもの、あると便利なもの、交換手順について解説します。

井戸ポンプ本体一式、塩ビ継手(エルボ含む)、塩ビ管用接着剤、シールテープ、防食シール材、塩ビ管カッター、レンチやスパナなど、ドライバー、保温材、ビニールテープは必ず必要になります。

また、ハンドドリル、電動式のレンチやドライバーなど、滑り止めが付いた軍手などがあると便利です。

井戸に入っている塩ビ管はかなりの重量があるため、1人での作業は難しいでしょう。できるだけ2人以上で作業することをおすすめします。

では交換手順です。作業開始前に井戸ポンプのコンセントを抜いておきましょう。初めに古い塩ビ管とジェットを撤去しましょう。

本体につながる塩ビ管を塩ビ管カッターでカットして抜いていきます。塩ビ管は長さが8~20mもあり、誤って落下させると引き上げが困難で、井戸が使用できなくなることもあります。この作業は慎重に行ってください。

続いて新しいジェットト塩ビ管を組み差し込みましょう。井戸ポンプ本体と適合するジェットを取り付ける必要があるため同時に交換しましょう。交換の際には塩ビ管の長さと吸込管、圧力管を間違えないでください。

これらを間違えると水をくみ上げられなくなるので注意しましょう。最後に井戸ポンプ本体を設置して完成です。交換後には塩ビ管内が完全に満たされるまで水を注いでおきましょう。

まとめ

今回は家庭用井戸ポンプの種類や特徴、利用することによるメリットと注意点、設置にかかる費用、そして自力交換の方法について詳しく解説してきました。

家庭用井戸ポンプは水道代削減や非常時に安心できるという点で魅力的でした。しかし、設置には数十万単位の費用が発生したり、衛生管理のための定期メンテナンスが必要だったりとデメリットも存在していました。

さらに長期間利用していると交換が必要になることもあります。そして家庭用井戸ポンプは複数の種類が存在しており、それぞれ特徴が異なっていました。

導入を検討している方は今回ご紹介した内容を総合的に判断して自分の生活スタイルに適合する井戸ポンプを選ぶようにしましょう。

最新のコラム