水コラム

その他

ワンプッシュ式蛇口の水が止まらない!原因と対処法を解説

洗面台やキッチンで使われるワンプッシュ式蛇口。使い勝手が良く人気の高い蛇口ですが、ある日突然水が止まらなくなってしまったり、引き棒が動かなくなったりすることがあります。こうしたトラブルは日常生活に大きな支障をきたすだけでなく、放置すれば水道代の増加や住居への水漏れダメージにもつながりかねません。

本記事では、ワンプッシュ式蛇口の構造やトラブルの原因、自分でできる修理方法から専門業者に依頼すべき状況までを詳しく解説します。

 

ワンプッシュ式蛇口とは?

ワンプッシュ式蛇口は、近年の洗面台に多く採用されている便利な排水システムです。従来の栓とは違い、蛇口背面の引き棒を押すだけで排水栓の開閉ができる機能的な仕組みになっています。

その特徴や他の排水方式との違いを詳しく見ていきましょう。

 

ワンプッシュ式蛇口の構造

ワンプッシュ式蛇口は、蛇口本体と排水部分が連動するシステムを採用しています。蛇口の後ろ側に付いている引き棒(プッシュロッド)を押すと、その動きが排水パイプ内の支軸を通じて排水栓に伝わり、排水栓の開閉を行う仕組みです。

引き棒を押すと排水栓が上がって水が流れ、もう一度押すと排水栓が下がって水がたまる、というシンプルな動作でありながら、内部では複数の部品が連動して動いています。

主な構成部品は

 

  • ●引き棒(プッシュロッド)
  • ●連結部品
  • ●排水栓
  • ●受け皿(ヘアキャッチャー)

 

などです。これらの部品が正常に動作することで、スムーズな排水操作が可能になります。

 

他の排水方式との違い

洗面台の排水方式には、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。

 

  1. 1.ワンプッシュ式:蛇口背面の引き棒を押すことで排水栓を開閉
  2. 2.ポップアップ式:蛇口背面の引き棒を引くことで排水栓を開閉
  3. 3.ゴム栓式:単純なゴム製の栓を手動で開閉

 

ワンプッシュ式とポップアップ式は、どちらも蛇口と排水栓が連動しているという点では似ていますが、操作方法が「押す」か「引く」かの違いがあります。

一方、ゴム栓式は最もシンプルな構造で、ゴム製の栓を手で取り外して排水する仕組みです。メカニカルな部品が少ないため故障が少ない反面、常にボウル内に出ているチェーンのすき間に汚れがたまりやすい、栓をする時手で直接栓に触れる必要があるといった点から衛生面では劣ります。

 

ワンプッシュ式蛇口のメリット・デメリット

ワンプッシュ式蛇口には、いくつかのメリットとデメリットがあります。

 

【メリット】清潔さ

ワンプッシュ式蛇口は排水栓に直接触れる必要がないため衛生的です。手洗い後の細菌拡散を防ぎ、チェーンなどの突起物がなく、スッキリとした見た目になります。

 

【メリット】使いやすさ

片手で簡単に操作できる利便性も大きな魅力です。石鹸が手についていても、軽く押すだけで操作できるため楽に捜査できます。洗面ボウル内もすっきりしているため掃除がしやすく、日常のメンテナンスの手間が省けます。

 

【デメリット】修理の難しさ

内部構造が複雑なため、故障した場合の修理が難しいのがデメリットです。経年劣化で動きが悪くなりやすく、数年使用すると引き棒の反応が鈍くなることがよくあります。

修理に失敗すると洗面台全体の交換が必要になる可能性もあるため、専門知識がない場合は無理な修理を避けるべきです。

 

ワンプッシュ式蛇口で起こりやすいトラブル

ワンプッシュ式蛇口は便利な反面、トラブルが発生することがあります。代表的なトラブルとその原因について解説します。

 

水が止まらない

 

パッキンの劣化

蛇口内部のパッキンが水道水に含まれる塩素などの影響で硬化やひび割れを起こすと、水漏れ防止機能が低下します。この結果、蛇口を閉めても水が完全に止まらなくなる状態になりやすいです。

 

コマやスピンドルの摩耗

水の出し入れを調整する部品は水と常に接触しているため劣化が早く進みます。特に使用年数が10年を超える蛇口では、水を完全に止める機能が低下しがちです。

 

水道ハンドルの故障

ハンドルの回転機構や固定部分に問題が生じると、正確な操作ができず水の制御が難しくなります。日常使用による機構の緩みや部品の摩耗が主な原因です。

 

水圧の問題

水圧が高すぎると、パッキンなどの部品に過度な負担がかかり耐久性が低下します。古い配管システムの住宅では、水圧調整が適切にできなくなることで部品の早期劣化につながるケースが多いです。

 

引き棒が押しづらい・動かない

 

排水パイプ内の汚れ

髪の毛や石鹸カス、歯磨き粉などが排水口から流れ込んで支軸部分に蓄積すると、支軸の動きを妨げ、引き棒の操作が重くなります。

 

支軸の変形や破損

排水口に異物が落ちて支軸に当たったり、引き棒を強く押しすぎたりすると支軸が変形します。こうした物理的な損傷があると、引き棒を押しても排水栓が正常に動きません。

 

引き棒自体の劣化

金属製の引き棒は長年の使用で金属疲労を起こし、曲がったり折れたりすることがあります。引き棒に問題があると、押す力が正しく伝わらず排水栓が適切に動きません。

 

連結部品の劣化

引き棒と排水栓をつなぐ連結部品が錆びたり緩んだりすると、引き棒の動きが排水栓に正確に伝わりません。内部の連結部品は目視で確認しにくいため、問題の特定が難しいことがあります。

 

蛇口から水漏れが発生

 

ネジやナットの緩み

長期使用や振動により蛇口を固定しているネジやナットが緩むと、接合部から水が漏れます。特に蛇口の根元やハンドル部分からの水漏れはこの緩みが原因であることが多いです。

 

コマパッキンの劣化

コマパッキンが劣化すると蛇口を閉めても完全に水を止められなくなり、吐水口から水が垂れ続けます。パッキンは消耗品のため、通常3〜5年程度で交換時期を迎えると覚えておきましょう。

 

蛇口本体の亀裂や損傷

経年劣化や凍結、物理的な衝撃により蛇口本体に微細な亀裂が生じることがあります。特に寒冷地では金属の膨張と収縮により亀裂が発生しやすく、そこから水漏れが発生しやすいです。

 

配管接続部の問題

蛇口と給水管の接続部分のパッキンや接合部が劣化した箇所から、水が漏れることがあります。普段目につきにくい場所でも漏れが発生する可能性があるため、定期的な点検が重要です。

 

これらのトラブルは早期発見と適切な対処が重要です。症状によっては自分で修理できる場合もありますが、状況によっては専門業者へ修理を依頼してください。

 

自分でできるワンプッシュ式蛇口の修理方法

ワンプッシュ式蛇口のトラブルの中には、専門的な知識がなくても自分で修理できるものがあります。一般的な修理方法を解説します。

 

水漏れを修理するパッキン交換の手順

蛇口からの水漏れで多いのは、パッキンの劣化によるものです。以下の手順でパッキン交換を行いましょう。

 

【必要なもの】
  • ●交換用パッキン
  • ●プラスドライバー、マイナスドライバー
  • ●モンキーレンチまたはプライヤー
  • ●ピンセット(小さな部品を取り扱うため)

 

【手順】
  1. 1.まず止水栓を閉め、水が出ないことを確認します。
  2. 2.蛇口のハンドル上部にあるキャップを外し、中のネジを緩めてハンドルを取り外します。
  3. 3.蛇口内部のナットを緩め、コマやスピンドルを取り出します。
  4. 4.コマに付いているパッキンを新しいものと交換します。
  5. 5.分解した順番と逆の手順で組み立て直します。
  6. 6.止水栓を開いて水漏れがないか確認します。

パッキンのサイズや形状は蛇口によって異なるため、交換前のパッキンと同じものを選ぶことが重要です。迷った場合はホームセンターなどで相談しながら選びましょう。

 

引き棒の動きを改善する排水パイプ掃除法

引き棒が押しづらい場合、排水パイプ内の汚れが原因になっていることが多いです。以下の方法で掃除してみましょう。

 

【必要なもの】
  • ●重曹
  • ●酢
  • ●古い歯ブラシ
  • ●ぬるま湯

 

【手順】
  1. 1.取扱説明書を確認しながら排水栓を引き上げます(無理に外さないよう注意)。
  2. 2.ヘアキャッチャーに溜まった髪の毛やゴミを歯ブラシで取り除きます。
  3. 3.排水口のオーバーフロー(あふれ防止の穴)周辺も掃除します。
  4. 4.排水口に重曹をまんべんなく振りかけ、その上から同量の酢をかけます。
  5. 5.10分ほど放置した後、ぬるま湯でしっかり洗い流します。
  6. 6.排水栓を元の位置に戻します。

重曹と酢の反応で発生する泡が汚れを浮かせるため、水で流すだけで取れます。洗剤よりも環境に優しく、万が一口に入っても安全です。熱湯は排水パイプを変形させる恐れがあるので避けましょう。

 

修理の際の注意点

自分で修理する際には、以下の点に注意しましょう。

 

  1. 1.必ず止水栓を閉めてから作業を始める:水が出たままだと水浸しになる恐れがあります。
  2. 2.部品を紛失しないよう注意する:小さな部品も含めて、取り外した順番を覚えておくと良いでしょう。
  3. 3.無理な力をかけない:ネジや部品に無理な力をかけると破損の原因になりかねません。
  4. 4.取扱説明書がある場合は参照する:メーカーの指示に従うことで、安全に修理できます。
  5. 5.自信がない場合は無理をしない:無理に修理して失敗すると、かえって状況が悪化するかもしれません。
  6. 6.パッキンなどの消耗品は同じ規格のものを選ぶ:メーカーや型番に合った部品を選びましょう。

 

自分で修理をする際は、洗面台の全交換につながるリスクがあることを念頭に置いて、慎重に行動することが大切です。

 

山梨県内で修理部品が手に入るおすすめホームセンター

山梨県内には、水道部品を取り扱う大型ホームセンターがいくつかあります。ここでは、エリア別におすすめの店舗を紹介します。

 

カインズFC甲府昭和店

住所:山梨県中巨摩郡昭和町西条770

営業時間:9:30~19:30

豊富な品揃えで、水道部品だけでなく、DIY用品全般が充実しています。国母駅から徒歩約8分と便利な立地です。

 

DCM 一宮店

住所:山梨県山梨県笛吹市一宮町竹原田1414

営業時間:9:30〜20:00

立体駐車場が完備されており、様々な水道部品を取り揃えています。

 

DCM 南アルプス店

住所:山梨県南アルプス市在家塚565

営業時間:9:30〜20:00

資材館も併設しており、専門的な水道部品も取り扱っています。店員の対応も丁寧で、電話での在庫確認も可能です。

部品を購入する際は、古い部品を持参すると同じものを見つけやすいです。蛇口のメーカーや型番を控えておくとより的確なアドバイスを受けられるでしょう。

 

プロに依頼すべき状況

ワンプッシュ式蛇口のトラブルは、自分で対処できる場合もありますが、状況によってはプロの手を借りる方が賢明です。無理に自分で修理して失敗すると、洗面台全体の交換につながることもあるため、見極めが重要です。

 

構造部品の破損

引き棒が折れた場合は専門業者に依頼すべきです。引き棒は内部の連動機構と正確に接続する必要があり、不適切な交換は他の部品の損傷を招くことがあります。

パッキン交換や掃除をしても水漏れが止まらない場合、より深刻な問題が隠れているかもしれません。経験豊富な専門家なら原因を正確に特定し、適切な修理方法を提案できます。

 

配管工事

水道管からの水漏れが疑われる場合は専門家に任せましょう。水道法では給水装置の工事は「水道局指定給水装置工事事業者」が行うよう定められており、無資格者の工事は違法となる場合があります。

 

構造変更

ポップアップ式からワンプッシュ式への変更も専門知識が必要です。特にKVK製やINAX製、排水栓がゴム栓の場合は、洗面台ごと交換が必要になることもあり、DIYでの対応は適していません。

 

大きな損傷

蛇口や洗面台に亀裂や大きな損傷がある場合は、安全のために専門家の診断が必要です。表面上は小さな亀裂でも内部では深刻な損傷が進行していることがあり、適切な修理をしないと突然の破損や水漏れの恐れがあります。

 

蛇口のトラブルは「やまなし水道職人」におまかせ

急な故障や水漏れは、日常生活に大きな支障をきたします。そんなとき、頼りになるのが地域密着型の水道修理サービス「やまなし水道職人」です。

「やまなし水道職人」は、山梨県全域の水道トラブルに対応する専門業者です。ワンプッシュ式蛇口のトラブルはもちろん、あらゆる水まわりの問題に対応しています。

24時間365日受付対応体制で、年末年始やお盆でも変わらずサービスを提供しているため、急な故障でも安心です。最短30分から1時間程度で現地に駆けつけ、迅速にトラブルを解決します。

水道局指定工事店として認定されており、法律に基づいた適切な工事が可能です。また、作業前に詳細な見積もりを提供し、お客様が納得した上で修理を開始するため、料金面でも安心です。

支払い方法も、現金・クレジットカード・銀行振込み、QRコード決済、コンビニ支払いなど多様な選択肢を用意しています。

専門の技術者が最新の技術で適切な修理を行うため、ワンプッシュ式蛇口のような複雑な構造の修理でも対応可能です。水道トラブルでお困りの際は、ぜひ「やまなし水道職人」にご相談ください。プロの技術と親切な対応で、お客様の生活を守ります。

最新のコラム