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ゴムシート防水とは?シート防水の種類やメンテナンス方法を徹底解説

屋根やガレージなどの防水に効果的な方法としてシート防水と呼ばれるものがあります。シート防水にもさまざまな種類があり、それぞれの特徴を把握したうえで適切な物を選び、設置することが大切です。

本記事ではゴムシート防水の特徴をはじめ、シート防水の種類やメンテナンス方法について解説します。シート防水を検討している方や、すでにゴムシート防水を設置していて、メンテナンス方法を知りたい方は、本記事を参考資料の一つとしてお役立てください。

シート防水とは?

シート防水は、住宅や会社、ガレージなどの屋根から水漏れが起きないよう、未然に防ぐための方法の一つです。シート防水は2種類の工法によって設置します。

2種類の工法によって設置される
シート防水にはいくつかの種類があり、それぞれに適した工法を取り入れながら設置します。シート防水では以下2つの工法を用いるのが一般的です。

・密着工法
密着工法とはその名の通り、シートを密着させる工法のことです。機械を使わずに行う工法であることから、バルコニーといった狭い場所にも設置できるといった特徴があります。

・機械固定工法
機械を使ってシートを固定する方法として機械固定工法があります。機械固定工法は密着工法とは違い密着しません。しかし、シートと設置箇所の間に通気性を確保するシートとディスク盤と呼ばれる部品を設置するため、水蒸気を逃したうえで防水が可能になります。

機械固定工法は既に漏水が起きている場所であっても設置できるため、できるだけ早く漏水を改善させたい場合に有効といえるでしょう。

メリット
シート防水においてはメリット・デメリットがある点も視野に入れたうえで検討するのが大切です。

メリットとしてはシートを選ばずに施工できる点や、品質に差が生じにくい点、凹凸が発生しないため、くぼみに水が溜まったことで起きる雨漏りの可能性を最小限に抑えられる点があります。

デメリット
一方、シート防水のデメリットには、1箇所の亀裂や破損によって防水効果を低下させてしまう点や、施工費用が高額な点、デコボコとした場所には設置しにくいといった点があります。

シート防水を設置する際は、設置予定の場所を確認し、そのうえでメリット・デメリットを視野に入れながら検討を進めましょう。

ゴムシート防水の特長

シート防水の中でも比較的設置しやすいゴムシート防水ですが、具体的な特徴には以下のようなものが挙げられます。

・接着剤などによって設置するため、機械が入らず騒音が気にならない
・ゴムであることから伸縮性が高く耐久性も優れている
・シート同士の接着は、接着剤と粘着テープで行うため、溶融一体化しにくい
・薄い性質であるため、どこにでも設置しやすい
・狭い場所やデコボコとした場所にも使いやすい
・合成ゴムを使用しているため、劣化しにくい
・万が一破損や亀裂があっても修繕しやすい

メリット
ただし、ゴムシート防水にもメリット・デメリットがあります。ゴムシート防水のメリットとしては以下の7つが挙げられます。

・伸縮性に優れている
・亀裂や穴あきしにくい
・耐用年数が他のシート防水に比べて長い
・軽量であるため作業しやすい
・短い工期で設置できることから費用を抑えて防水対策ができる
・木造建築にも有効
・保護層として塗装剤を厚塗りすることで軽歩行も可能

デメリット
一方、ゴムシート防水には以下のデメリットがあります。

・ゴムシート防水は密着する必要があるため、設置場所は平らである必要がある
・複雑な形状の場所には不向き
・鳥害シートを貼り合わせることから、接着剤の質が防水効果に反映する(接着剤の耐用年数=ゴムシート防水の性能)
・紫外線によって劣化しやすい
・シートが薄いため鳥害に遭いやすい
・接着剤、または素材に化学物質を用いるため、シックハウス症候群に留意する必要がある

シート防水の種類

シート防水と一口に言っても、ゴムの他に2つ種類があります。ここではシート防水に用いる3つの種類とその特徴についてご紹介します。

ゴムシート防水
ゴムシート防水は、鳥害シートと重ねて設置することから、全体的に10cmほど高くなります。弾力性に優れ、表面には凹凸があるといった特徴や、一般的なカラーの黒のほか、カラーゴムシートと呼ばれる着色済みのシートを選ぶこともできます。

一般的なゴムシート防水であれば、上塗り塗装を施したうえで使用します。塗装剤は主にエナメルやシルバーを用いることが多いです。

塩ビシート防水
塩ビシート防水は、継ぎ目がシート同士で重なっていることから、水の浸入を防ぎやすいといった特徴があります。ゴムのような弾力性はなく、伸縮性に乏しいといった欠点があるため、塩ビシートを選ぶ際は、欠点を踏まえたうえで検討を進めましょう。

塩ビシートは一定間隔で円形の模様が入っています。これは機械固定工法による円盤の跡です。模様が気になるようであれば、塩ビシート防水は不向きといえるでしょう。

アスファルト防水
スファルト防水は表面に砂の層があるのが特徴です。上塗り塗装が必要で、その際はシルバーが塗装されるのが一般的です。

ゴムシート防水のメンテナンス方法

ゴムシート防水の設置を検討する方や、実際に設置した方の為に、ここではゴムシート防水のメンテナンス方法についてご紹介します。

合成ゴムにより劣化しにくく穴が開いても修繕しやすいといった特徴がありますが、ゴムシート防水を設置したあとは、こまめに点検・メンテナンスを実施することが大切です。

平均寿命は15年ほどと言われるゴムシート防水ですから、適切なメンテナンス方法を把握して長く使えるよう心がけましょう。

膨れがないかを確認する
ゴムシート防水におけるメンテナンス方法の1つ目は「膨れ」がないかを確認することです。小さな膨れであれば、脱気筒から水蒸気を逃すなどで対処できます。

ただし、できるだけこまめに実施しなければ、鳥害や飛来物などによって膨れた部分が破損し、劣化を早めてしまいます。定期的にシート全体に膨れがないかを確認し、できるだけこまめに水蒸気を逃がすよう心がけましょう。

破れがないかを確認する
膨れがないかを確認する際は、同時に「破れ」がないかも確認するよう心がけてください。破れがあるのにそのまま放置してしまうと、吹きさらしや天候、鳥害によって破れた部分が徐々に広がる可能性があります。

広範囲にわたって破損が発生すると、修理費用が高額になるほか、最悪の場合はまるごと新しい物へと交換しなければなりません。

被害を最小限に抑えるためには、できるだけこまめに点検を実施したうえで、破れが確認できた場合は防水テープなどを貼り付けて修繕するとよいでしょう。

シート防水別の設置費用相場

シート防水には3つあること、そしてそれぞれに特徴があることをご紹介しました。ゴムシート防水に限らず、それぞれのシート防水についての費用感を知りたい方は、以下の設置費用相場を目安にしながら検討を進めてみてください。
工事種類の相場はウレタン防水(密着工法)で4,000円~5,500円。耐用年数は2年~5年です。ウレタン防水(通気緩衝工法)の場合は5,500円~6,500円。耐用年数は13年~15年です。

ゴムシート防水が4,000円~5,000円。耐用年数が10年~15年です。塩ビシート防水(密着工法)は4,000円~5,000円。耐用年数10年~15年です。

塩ビシート防水(機械固定法)は5,500円~7,500円。耐用年数が15年~20年。改質アスファルトシート防水は5,000円~7,000円で耐用年数が15年~20年です。FRP防水は5,000円~7,000円で10年~15年となっております。

まとめ

本記事ではシート防水の種類や特徴のほか、メリットやデメリットについてご紹介しました。中でもゴムシート防水は機械を使わずに設置できることから、工期が短く低コストで済むといったメリットがあります。

一方で、ゴムシートや接着剤に化学物質を用いることからシックハウス症候群の懸念もあるため、設置を検討するには、環境や人に配慮したうえで進めることが重要といえるでしょう。

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